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INF条約破棄

INF条約をアメリカが破棄。で、軍拡競争が始まるのでは?と騒がれている。

結論
アメリカvsロシアの軍拡競争は起こらない。中国vsロシアの軍拡競争が起こる。

INF条約の規制対象(Wikiより)
射程が500km(300マイル)から5,500km(3,400マイル)までの範囲の核弾頭、及び通常弾頭を搭載した地上発射型の弾道ミサイルと巡航ミサイルの廃棄

アメリカとロシアの距離は?
直線距離で概ね4,000~10,000km。つまり、INF条約で規制されているミサイルでは、アメリカ⇔ロシア間を飛べない(アラスカは狙えるけど)。つまり、アメリカ本土の安全保障にINF条約はあまり影響がない。

アメリカとロシアがお互いを狙うために、INF条約で規制されていた射程500~5,500kmのミサイルで軍拡競争をすることはない。


影響を受けるのは?
ヨーロッパとNATOに駐留するアメリカ軍には影響がある。INF条約が無くなって、ロシアからのリスクに一番さらされるのはヨーロッパ。America Firstのトランプには知ったことではない。ロシアがINFを再配備してヨーロッパのリスクが上がったら、トランプはもっと金を出せ、ヨーロッパは危険だからアメリカ軍を撤収する、などというのだろう。

ロシアはEUを脅威と見ているのだろうか。
見ている。たぶん。でも、ヨーロッパ向けにロシアが中距離ミサイルを大量配備することはない気がする。なんとなく。

それより、ロシアにとっては中国が新たな脅威だろう。INF条約が無くなるということは、対中国で足かせが無くなる。ロシア⇔中国の距離は丁度INF条約の対象範囲。

INF条約は冷戦時代のソ連vsアメリカを念頭に置いた条約だろうから、現代に合わなくなっている。アメリカvsソ連の時代ではない。中国vsその他すべての国の時代が来る。

INF条約廃止で一番困るのは?
中国だろう。中国が一番脅威を感じているはず。INF条約が無くなれば、ロシアは真っ先に対中国向けのINFを拡充するから。

なぜアメリカはINF条約「破棄」という方法をとったのか
アメリカの言い分は、ロシアがINF条約に違反しているからアメリカは条約を破棄する。ただ、この対応は不自然。だって、アメリカ側から条約を破棄しても、アメリカ側のメリットは何もないから。

ロシアにINF条約違反を続けさせれば、将来的に経済制裁等の口実として使えるので、アメリカとしては得だと思う。アメリカの側からINF条約の破棄を通告するのは、ロシアにINF強化のOKを与えているようなものであり、将来的な制裁等の口実を失ってしまう。得をするのはロシアで、アメリカにメリットはない(デメリットもそんなにないけど)。

中国の脅威が増加する中で、INF条約で一番困っているのはロシア。なので、ロシアがINF条約の停止をアメリカに提案し、アメリカが合意するなら理解できる。つまり「INF条約がアメリカvsソ連を念頭に置いたものである。しかし、中国や北朝鮮が中距離ミサイルを拡充しているなかで、アメリカとロシアの両国間だけで中距離ミサイルを制限しあうことは意味がなくなりつつある。そこで、アメリカとロシアは協議の上、INF条約の廃止に同意した」。これなら自然。

アメリカ側からINF条約廃止を切り出すのは、ロシアに有利すぎる。なぜだろう?
可能性① ロシアが手を回して、アメリカがINF条約を破棄するように仕組んだ。
ロシアが自分からINF条約を破棄すると、他の国に経済制裁の口実を与えてしまう。しかし、アメリカがINF条約を破棄しても、「トランプだし・・・」的な世論もあるし、NATO内のことなので、だれもアメリカに制裁はしない。なので、アメリカ側からINF条約破棄を言い出すようにロシアが働きかけを行った。
可能性② INF条約が無くなったら、対中国向けのINFをロシアが増強することを、アメリカもわかっている。ロシアがINFを増強すれば、中国もそれに対応する。ロシアvs中国で軍拡競争が起こる。そうすると、ロシアと中国は軍拡で多量の予算を浪費し、共倒れになる可能性が出てくる。そしたらアメリカ的にはうれしい。ロシアに心置きなく対中国向けINFを拡充してもらうために、あえてアメリカ側からINF条約廃止を言い出した。
可能性③ INF条約が無くなれば、ロシアは対中国のINFを拡充する。つまり、中国の軍事的突出を抑えるうえでロシアが役に立つ。なので、INF条約破棄は良い選択と判断した。

よくわからん。

個人的には、「時代に合わないからINF条約をやめます」ではなくて、「時代に合うようにINF条約の加盟国を増やします」という方が好きです。
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